バニラ、ココナッツ、トロピカルフルーツ——濃密な香りをたっぷり纏いながら、最後だけ辛口にキュッと締まってくる。スペイン・カリニェナ産、6ヶ月樽熟成シャルドネの記録。
アナヨン シャルドネ
Grandes Vinos y Viñedos Anayón Chardonnay

- 飲んだ日:2026/6/15
- シチュエーション:充実しすぎた週末の翌日、月曜の夜にワインを解禁した
- ヴィンテージ:2024
- 生産者:グランデス・ビノス・イ・ビニェドス(Grandes Vinos y Viñedos S.A.)
- 生産地:スペイン>カリニェナ(アラゴン州・イベリア山系の麓、標高400〜800m)
- タイプ:白(ガツンと濃厚系)
- 品種:シャルドネ 100%
- 度数:14%
- インポーター:フィラディス
- 購入店:フィラディスワインクラブ
- 参考価格:3,740円
- 購入価格:1,870円(初回限定50%オフ)
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【シチュエーション:週末を使い果たして、月曜の夜にワインを解禁する】
週末があまりにも充実していて、ワインを飲む暇がなかった。月曜の夜、ようやく栓を抜く。疲れではなく、いい気分のまま迎えた晩酌だった。
ワイン豆知識
アナヨンはカリニェナの「特別キュヴェ」
グランデス・ビノス・イ・ビニェドスのフラッグシップ、アナヨン。D.O.P.カリニェナの総生産量のうちわずか2%しか取れないシャルドネを100%使い、偉大な年にのみリリースされる特別キュヴェだ。限定生産という事実が、このワインの濃密さの背景にある。
アメリカンオーク・新樽50%がバニラとココナッツの源
このワインが纏う甘い香りの正体は、アメリカンオークのバリックで6ヶ月熟成(新樽比率50%)にある。フレンチオークと比べてアメリカンオークはバニラ・ココナッツのニュアンスが出やすく、このシャルドネの野暮ったいほどの甘さは樽の選択から来ている。
冷たい北風「シエルソ」が凝縮感を生む
カリニェナはスペイン・アラゴン州にあり、海抜400〜800mのやせた土地に畑が広がる。「シエルソ」と呼ばれる乾燥した北風が、ブドウの水分を適度に飛ばして果実の凝縮度を高める。濃いのに酸がある——この構造はこの気候なしには生まれない。
テイスティング|アナヨン シャルドネ 2024
- 香りの強さ:5/5
- 香りの要素:バニラ、ココナッツ、トロピカルフルーツ(パイン・パッション)、トマトジュース的な酸、海苔の佃煮のニュアンス
- 酸味:4/5
- 甘味:5/5
- アルコール感:4/5
- 余韻:ビリビリとした辛口の締め。まったりした後にキュッとくる緊張感
- ボディ:フルボディ
- テクスチャ:まったりと濃密。とろみを帯びた重量感
- フレーバー:バニラ・ココナッツの甘みが主体。温度が上がるにつれてトロピカルフルーツへシフト。コクが非常に厚く、後味だけ引き締まる
感想|野暮ったい白が、グラスで姿を変えた

万能グラス vs ブルゴーニュグラス:圧倒的な差
今夜はグラス比較実験もかねて飲んだ。使ったのは2つ——ガブリエルスタンダード(万能型、6,600円)と、木村ガラスのキメラ ツル28OG(ブルゴーニュグラス、3,000円弱)。
万能グラスで香りを嗅ぐと、トマトジュースを思わせる酸味のある香りと海苔の佃煮のような野暮ったさがはっきり出てくる。悪くはないが、どこかチャッチーな印象も拭えない。
ブルゴーニュグラスに替えた途端、スケール感が変わった。同じワインとは思えないほど香りが広がり、バニラ、ココナッツ、クリームのニュアンスが上品にまとまって鼻に届く。口径が大きく液体が横に広がる分、甘みとコクをダイレクトに感じ、まったり感がより豊かに伝わってくる。香りのスコアは万能グラスの4から、ブルゴーニュグラスで5へ上がった。結果は圧勝だ。
価格で言えばガブリエルの方が2倍以上するのに、パフォーマンスはツルに軍配が上がる。万能グラス一択で賄えないかという実験を続けているが、このワインで明確な答えが出た。爆発的な香りを持つ樽熟シャルドネには、大ぶりのブルゴーニュグラスが必須だ。
温度は高めで本領発揮する
このワインは冷やしすぎない方がいい。温度が上がるにつれて甘みがじわじわと出てきて、バニラとトロピカルフルーツの輪郭がくっきりしてくる。一般的な白ワインの提供温度より高め、13℃以上でも十分美味しい。野暮ったいワインだからこそ、まったりした温度帯でその個性を楽しみたい。
ペアリング

鶏胸肉のスパイスマリネ+カリカリごぼう
鶏胸肉にシナモン・コリアンダー・バジル・オリーブオイル・ローストニンニクをまぶして漬け込み、表面を焼いた後に蒸して、最後にバターを加えた一品。上にカリカリに揚げたごぼうをたっぷりのせた。
食べてみて、これはいい。スパイスのパンチがワインのバニラの甘みと融合して、立体的な奥行きを生んでいる。サイゼリヤの「やみつきスパイス」に似た風味が、アナヨンのまったりとした甘みに当たっても崩れず、むしろ互いを引き立て合う。濃厚で野暮ったいシャルドネでないと成立しない組み合わせだ。スパイスのガツン系料理と、フルボディ白ワインのペアリング——今夜、これが成立することを確認した。
評価
- 総合評価:3.5
- CP評価:3
評価基準
■総合評価:
- 5(Outstanding / 最高):記憶に残る素晴らしいワイン。人に勧めたくなる。
- 4(Very Good / 非常に良い):バランスが良く、また飲みたい。特別な日に適している。
- 3(Good / 良い):堅実で信頼できる。無難で、日常的に楽しめる。
- 2(Fair / 普通):飲めるが積極的には選ばない。物足りなさや違和感があることも。
- 1(Poor / 悪い):問題がある。推奨できない。同じ価格なら別を選ぶ。
■コスパ評価:
- 5(Exceptional Value / 超絶価値):価格に対して素晴らしくクオリティが高い。見つけたら即買いレベル。
- 4(Great Value / 価格以上の価値):価格以上の価値。コスパが良いと自信を持って言える。
- 3(Fair Value / 価格相応):価格相応。可もなく不可もなく。
- 2(Below Average / 価格より低い価値):価格より低い価値。もう少し安ければ納得できる。
- 1(Poor Value / 高すぎる):価格に見合わない。明らかに割高。





























