カシスとブルーベリーの奥から、漢方薬のような甘いスパイス香がすっと立ち上る。南アフリカ・ステレンボッシュ産の赤ワイン。がっしりした骨太感のワインで、非常に力強くグラデーションを楽しめる1本だった。
アルダリン カベルネ・ソーヴィニヨン メルロー
Aaldering Estate Cabernet Sauvignon / Merlot

- 飲んだ日:2026/7/21
- シチュエーション:考えごとで頭がいっぱいになった夜に
- ヴィンテージ:2020
- 生産者:アルダリン(Aaldering)
- 生産地:南アフリカ>ステレンボッシュ(山と海の両方に近く、寒暖差の大きい産地)
- タイプ:赤(がっしり骨太系)
- 品種:ブレンド(カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー)
- 熟成:フレンチオーク樽100%、20ヶ月
- 度数:14.5%
- インポーター:都光
- 購入店:銘醸ワイン専門のCAVE de L NAOTAKA!
- 参考価格:7,700円
- 購入価格:2,100円
- 購入セット:アルダリン6本+2本セット
【シチュエーション:考えごとで頭がいっぱいになった夜に】
考えごとで頭がいっぱいになっていた夜、上質なワインで気持ちを切り替えることにした。開けたのは、2年ほど前にセット買いして、ずっとセラーで眠らせていた一本。
ちょうどいただきものの宮崎牛があったので、これはいいワインを開ける理由になる、と迷わずコルクを抜いた。
ワイン豆知識
環境に配慮したワイナリー
アルダリンは2004年、オランダ人夫妻マリアンヌ&フォンス・アルダリンが立ち上げた家族経営のワイナリー。南アフリカの環境配慮型ぶどう栽培認証「IPW(Integrated Production of Wine)」と、国際的な環境認証「Certified Enviro Wines」の両方を取得しており、環境への配慮を掲げたワインづくりをしている。
ステレンボッシュという産地
生産地のステレンボッシュは、南アフリカを代表するワイン産地のひとつ。山と海の両方に近く、昼夜の寒暖差が大きいため、ぶどうがゆっくりと熟していく。花崗岩・粘土・砂など土壌が多様で、区画ごとに個性が出やすい土地でもある。
国際コンクールでの金メダル
このワインは2022年、ミケランジェロ国際ワイン&スピリッツ・アワードでゴールドメダルを受賞している。同アワードは1997年創設、アフリカ最大規模のワイン・スピリッツコンクールで、5大陸から選ばれた審査員が評価する国際色の強い賞だ。ラベルにもそのメダルが誇らしく掲げられている一本だ。
テイスティング
- 香りの強さ:5/5
- 香りの要素:完熟カシス、ブルーベリー、アニス系の甘いスパイス(漢方薬のような)、樽由来のスモーク・ウッディ、ブラックペッパー
- 渋み:4/5
- 酸味:3/5
- 甘味:5/5
- 苦み:2/5
- アルコール感:4/5
- 余韻:長い。スモーキーな樽香、シナモンのような甘さ、ブラックペッパーのスパイス感が続く
- ボディ:フルボディ
- テクスチャ:ビロードのようになめらかで、こなれたタンニン
- フレーバー:完熟したカシスリキュールのような甘さ、後味の酸味でキレよく締まる、モカ・カカオを思わせる苦み
感想

開けたての印象
大ぶりの木村硝子店 ツル 24oz(ボルドー型)に注いだ瞬間から、ウッディな香りと強いタンニンの気配が押し寄せてくる。ガラガラとした質感の奥に、黒胡椒のスパイシーな香りも顔を出す。ステアリングするほどに深みが増し、炭と木のニュアンスが強まって、少し野性的な表情ものぞかせる。
口に含むと、まず力強さに驚く。タンニンは豊富だが、ザラつきはなく、むしろサラサラとしっとりしている。ビロードのようにこなれたタンニンとはこういうことか、と納得する質感だ。完熟したカシスリキュールのような甘みがあり、後味にかけては酸味がすっと効いて、甘さを引き締めていく。余韻は長く、樽由来のスモーキーさ、シナモンのような甘い香り、黒胡椒のスパイス感が続く。モカやカカオを思わせるほろ苦さも顔を出し、全体のバランスがいい。
時間の経過とともに
2杯目、空気に触れたことでさらに香りが開いた。最初は控えめだったのが、スワリングした途端にバニラや漢方薬のような甘いスパイス、ウッディな香りが一気に広がる。ドライハーブを思わせる植物的なニュアンスも顔を出し、香りだけで何杯も飲めそうなほどの奥行きが出てきた。
3日目(実質2日目)
出かけていて2日目は飲めず、実質3日目のテイスティングとなった。それでも劣化した印象はなく、輪郭がひとまわり鋭くなったという感じ。酸味が前に出てきてキリッと締まり、アルコールの熱がじわりと喉の奥に残るようになった。まろやかさより骨格の強さが前面に出てきた、パワー型への変化。それでも甘みの芯はしっかり残っていて、1日目のなめらかな完成度には及ばないものの、十分においしい。
ペアリング

宮崎牛と白飯
いただきものの宮崎牛の、上質な脂身に合わせた。肉の脂がタンニンと絡むことで互いが丸くなり、ワインがすいすい進む。完熟したカシスリキュールのような果実味と、脂の甘みが響き合う組み合わせだった。白飯との相性もよく、力強いワインには、それに見合う脂の乗った料理が必要だと実感する一皿。
3日目:トンカツ、ナスとベーコンのオムレツ
トンカツの豚ロースにも脂身はあるが、宮崎牛の脂とは密度が違う。とろけるように溶けて舌に絡みつくような牛の脂に対して、豚ロースの脂はさっぱりと軽く、タンニンを受け止めきる前に先に食べ切ってしまう感覚。ナスとベーコンのオムレツ(卵にシナモンと砂糖を効かせた甘め仕立て)も、優しい甘さがワインの凝縮した果実味の前では霞んでしまい、分が悪い。日常の食卓に合わせるには、それなりに脂身の強い料理やステーキ級の火力が必要になる、というのが今回の発見。フレンチの牛肉料理などとは間違いなく好相性だろう。
評価
- 総合評価:4
- CP評価:2
評価基準
■総合評価:
- 5(Outstanding / 最高):記憶に残る素晴らしいワイン。人に勧めたくなる。
- 4(Very Good / 非常に良い):バランスが良く、また飲みたい。特別な日に適している。
- 3(Good / 良い):堅実で信頼できる。無難で、日常的に楽しめる。
- 2(Fair / 普通):飲めるが積極的には選ばない。物足りなさや違和感があることも。
- 1(Poor / 悪い):問題がある。推奨できない。同じ価格なら別を選ぶ。
■コスパ評価:
- 5(Exceptional Value / 超絶価値):価格に対して素晴らしくクオリティが高い。見つけたら即買いレベル。
- 4(Great Value / 価格以上の価値):価格以上の価値。コスパが良いと自信を持って言える。
- 3(Fair Value / 価格相応):価格相応。可もなく不可もなく。
- 2(Below Average / 価格より低い価値):価格より低い価値。もう少し安ければ納得できる。
- 1(Poor Value / 高すぎる):価格に見合わない。明らかに割高。
















