心を豊かにするワインの世界

ワインは情報量の高い飲み物。香り、味、ブドウ品種の特性、気候、文化、歴史、生産者の哲学…。どこまでも奥行きのある飲み物。だからこそ夢中になれる。心を豊かにする。ワインを理解するために、ワインを楽しむために、経験を積み重ねていく。

【イベントレポ】wine@主催、試飲販売会 フィラディスワインの魅力

wine@は、定期的にインポーターを招いての試飲販売会を行っていて。毎回、20種類、ボトル単価1500~9000円のワインが飲み比べられる。

今回は、フィラディスさんを招いての試飲販売会にいってきた。

wine@の試飲会、新たなワイン、新たなインポーター、新たな品種や生産者をたくさん知れるので、実りの多いイベントだ。

イベント概要

レストランのソムリエなど業界関係者向けに行っている試飲会をwine@会員様向けにアレンジした、
毎回人気でチケット完売となるイベント。
毎月第三日曜日に1社のインポーターをお招きして開催いたします!
第ニ回目は、プロフェッショナルに愛されるインポーター
フィラディス様をお招きし、シャンパーニュや南仏、スペインリオハのワインをお楽しみいただける回となります!
提供ワインはボトル単価で約1,500円〜9,000円のワインを約20種類、
もちろん、気に入ったワインは当日お買い上げいただくことも可能です。
また、1,100円分のお買い物チケット付きで実施、お得にワインをご購入いただけます!

今回の目的

ワイン本格的にはまって1年半、150本を超えるワインを飲んできた。でも、未だにフィラディスさんはノータッチ。

ネームバリューがあって、「フィラディスのワインは絶対に外さない」と断言していて、非常に気になっているインポーター。

ただいかんせん、貴族のワインという立ち位置にあると思ってて。金銭感覚は人によって違うけど、1500円以下をデイリーワインと位置付けている自分にとっては、フィラディスさんのワインは高級ワインの価格帯。

物価高騰や円安おうけて、ほぼ3000円からという価格設定。セールで3000円ワインを1500円で飲むことはあっても、3000円ワインを3000円で買うことなんて、ほぼ皆無で。だからフィラディスさんは庶民思考の自分にとってあ高根の花。

とはいえ、フィラディスさんのHP見てると、非常に気になってくる。フアン・ヒルの特集ページを見てくれ。そうとうこの生産者押してるらしく、熱量が半端ない。あのプロ御用達のフィラディスさんが手放しで押してるスペインのワインっていったいどんな感じだろうって。

そこで今回のイベントはうってつけ。チケット代3300円で、フィラディスがセレクトしたワインを20種類も飲み比べられるのだ。ほぼ100%、フィラディスさん押しのフアン・ヒルは飲めるのではないか、と期待している。

そして一番気に入ったワインを当日GETしようと。最近楽天マラソンでわりとワイン補充してセラーがあふれかえってるので、今回は一番気に入ったワイン1本だけお買い上げ。1100円のチケットがあるので、お買い得にフィラディスさんのワインを飲める。

wine@イベントの特徴

試飲販売会って各地で行われているけど、wine@主催の試飲会の最大の特徴は、「試飲ワインすべてが分類わけされていること」だ。

ワインの味わいを、2軸でマッピングして、視覚的にわかりやすく整理して分類わけ。

たとえば、白ワインならすっきり×フルーティーやコクあり&ややフルーティー。赤ワインなら軽快×フルーティー、芳醇×ドライといった具合である。

白ワインは10分類、赤ワインは13、ロゼワインが4、スパークリングワインが8、デザートワインが3。合計38分類になっている。

この分類を意識しながら飲むことで、よりワインの特徴がつかめるし、自分に好きな分類を知ることができる。

フィラディスさんのHPには分類は書いていないけど、wine@イベント取り扱い銘柄については、当日配られる資料で分類が記載される。これがwine@の試飲販売会の最大の特徴。

印象に残ったワイン

今回は泡6、白6、ロゼ1、赤5、白甘1、合計19種類のラインナップ。

そして、泡のうち、ひとつはクレマン、残り5種類はすべてシャンパーニュというのだから驚きだ。シャンパーニュ飲み比べできるぞ!

シャンパーニュ飲みくらべ

一度に飲み比べることで、わかることがある。シャンパン5種類飲み比べという贅沢の極み。

ブラン・ド・ブランはシャープな酸味主体のきれいなタイプ。クッキーやビスケットのような香ばしさがある。分類としては、香ばしエレガント系

ピノ比率が高まるにつれて芳醇になっていき、ブラン・ド・ノワールにもなると感応的なボリューム。ふくらみがあり、凝縮した果実の甘味が優しく後味にかけてじゅわっと広がる。分類としては芳醇なエレガント系

ブラン・ド・ブランのシャープで香ばしいのも捨てがたいし、ブラン・ド・ノワールのふくらみのあるボリュームも捨てがたい。つまりどっちもおいしい。

また、瓶内熟成期間が長くなるほど、ガス圧が強くなり、テクスチャのあるクリーミーな泡立ち、つまり触感のある泡立ちになることもわかった。

印象に残ったワイン6位:ラウル・ペレス ウルトレイア ゴデーリョ

  • 生産者:ラウル・ぺレス
  • 生産地:スペイン>ビエルソ
  • 価格:\4400
  • 品種:ゴデーリョ
  • 分類:白ワイン>コクありバランス系

ゴデーリョというスペインの土着品種。最近じわじわ人気が高まっているらしい。これがなかなか面白い味で印象深かった。

線香のような鼻をツンと刺激する香り。火が燃え尽きた後のような。

非常にコクがあり、リッチなふくらみ。独特な香りとともに、存在感のある面白いワインだ。

印象に残ったワイン5位:フアン・ヒル モスカテル

  • 生産者:フアン・ヒル
  • 生産地:スペイン>フミーリャ
  • 価格:\2640
  • 品種:モスカテル
  • 分類:白ワイン>魅惑のフルーツ系

はなやかでエキゾチックな香り。にぎやかなパーティーや、甘い果物とぴったり。

甘く、フルーティーでアフターにかけてふくらみがある。ミネラリー。酸もしっかりあってやや微炭酸。

気張らずに楽しく飲めるワインだ。

印象に残ったワイン4位:バロン・デ・レイ ブランコ・セミドゥルセ フラワーボトル

  • 生産者:バロン・デ・レイ
  • 生産地:スペイン>リオハ
  • 価格:\2530
  • 品種:ソーヴィニヨン・ブラン
  • 分類:甘口白ワイン>フレッシュ系甘口

半甘口のソーヴィニヨン・ブラン。スペインというと濃くて濃厚なフルボディ赤ワインのイメージ強いが、これは白ワインで、しかも甘口タイプ。

香りは典型的なさわやか清涼感のあるソーヴィニヨン・ブラン。

でもソーヴィニヨン・ブランのイメージに引っ張られて飲むとびっくり。甘い!

熟したメロンのように甘くてはなやか。でも甘すぎることはなく、適度な酸味も相まって、また次の一口を求めたくなる。

印象に残ったワイン3位:フアン・ヒル シルバー・ラベル

  • 生産者:フアン・ヒル
  • 生産地:スペイン>フミーリャ
  • 価格:\3300
  • 品種:モナストレル 100%
  • 分類:赤ワイン>濃厚&パワフル系

フィラディスさん押しの生産者のスタンダード。やっぱり試飲用ワインとしてセレクトされていた。

スペイン原産の品種であるモナストレル100%。12か月フレンチオーク樽で熟成。度数15%とパワフルなワイン。

香りからして濃厚。煮詰めて凝縮した、よく熟した果実の甘い香りが飲みたい欲を掻き立てる。

飲んでみると、15%という高い度数とは思えないほど、口当たり柔らかい。あまやかでぼりゅーみーなんだけど、タンニンがなめらかだからか、するっといける。飲みやすい。

ビーフシチューとか、ハンバーグとか、メンチカツとか。家庭料理と合わせたい。

フィラディスさん押しなだけはある。納得。

印象に残ったワイン2位:フアン・ヒル ブルー・ラベル

  • 生産者:フアン・ヒル
  • 生産地:スペイン>フミーリャ
  • 価格:\6380
  • 品種:モナストレル 60%、カベルネ・ソーヴィニヨン 30%、シラー 10%
  • 分類:赤ワイン>濃厚&パワフル系

シルバー・ラベルはモナストレル100%なのに対して、ブルー・ラベルはカベルネ・ソーヴィニヨンにシラーと、国際品種がブレンドされている。

そのほか、シルバー・ラベルとほぼ2倍の価格差はどこで生じてるのかと聞いてみたところ。

まず熟成期間。シルバー・ラベルはフレンチオーク樽で12か月。ブルー・ラベルはフレンチオーク樽とアメリカンオーク樽で18か月熟成。

次に新樽率。ブルー・ラベルはなんと新樽率90%。

他、樹齢50年以上の上質なブドウのみ使用など、ブルー・ラベルはとことん贅を尽くしているワイン。

それでも6000円というところにスペインのコスパを感じる。ボルドーやブルゴーニュで同じことやったら、1万5千とかいくのではないだろうか。

飲んでみると、明らかにシルバー・ラベルよりもさらに緻密で濃厚。これでもかというくらいあまやか。タンニンがなめらかで渋みを感じない。

度数は15.5%と、スティルワインでは限界ギリギリ突破した最大値。

けれどもアルコール感は感じず、なめらかでひっかかりなく。シルバー・ラベルよりもさらに凝縮度の高い果実味が爆発する、洗練された味わい。

特別な日に、確実においしいワインを飲みたいときにあけたいワインだ。価格差を考えると相対的にシルバー・ラベルのコスパが光る。プチ贅沢はシルバー・ラベル、年末など特別なときにブルー・ラベルなどが良いだろう。

印象に残ったワイン1位:アナヨン・シャルドネ

  • 生産者:グランデス・ビノス・イ・ビニェドス
  • 生産地:スペイン>カリニェナ
  • 価格:\3740
  • 品種:シャルドネ
  • タイプ:白ワイン>ガツンと濃厚系

新樽率60%という贅沢なつくり。新樽率が多いのでやはりリッチでわかりやすくがつんと濃厚。

わかりやすい樽香。バニラ・クリーム・バター。香り爆発系で、圧倒的存在感。

なめらかで緻密、クリーミーな舌ざわり。非常にあつみのあるリッチなフルボディ白ワイン。

優雅な気分になる。香りだけで何倍もいけるほど。

このワインは、ワイン飲まない人でも、「おおこれは!おいしい!」って言ってくれる、そんな圧倒的なわかりやすさ、親しみやすさがある。

カルボナーラ、ムニエル、バタートーストなどの、クリームやバターを使った料理との王道のペアリングで楽しみたい。

試飲販売会の学び

  • スペインワインおいしい。なんと印象に残ったワインすべてがスペインワインだった!
  • フアン・ヒルは間違いなくクオリティたかい生産者。試飲販売会で出されていたフアン・ヒル、赤も白も全部記憶に残っている。
  • 自分は赤も白も濃厚タイプが好みらしい。

19種類のうち、印象に残ったワインすべてがスペインというところに驚く。

スペイン以外にも、南西地方・プロヴァンス・ブルゴーニュ・シャンパーニュ、イタリアのヴェネト州のワインもあったんだけどね。スペインワイン、個人的に今後注目だ。

スペインは土着品種もいろいろあって、またリーズナブルなワインも多い。探求するにはもってこいの生産地だと思う。

そしてなによりフアン・ヒルの実力。今回はアナヨン・シャルドネが1位だったけど、フィラディスワイン、次に買いたいのは間違いなくシルバー・ラベルだ。

ただ濃いだけじゃない。濃厚であまやかだけど、それ以上になめらかでスムース。典型的な濃くて渋いスペインのフルボディというイメージを覆してくれる良ワインだ。

さて、今回の試飲会でフィラディス熱が高まった。良いワイン取り扱ってるなと。

セラーの在庫が落ち着いたら、フィラディスワインにチャレンジしたい。単品価格抑えられるので、セットがねらい目。

フィラディスがまずお薦めしたい12本という特集ページがあって。もちろんシルバー・ラベル推薦されてる。

そのワインがセットになった、まずはおススメしたいワイン12本セット(赤x5本,白x5本,泡x2本)はどうだろう。単品価格の26%オフ、\31200。1本あたり2600円くらい。

1本あたり2600円だったら、週末の贅沢ワインとしてぎりぎりいける。その分平日ワイを千円以下のワインにするなど調整すればいける。

フィラディス新規登録者は1000円クーポンが付与されるようなのなので、そうすればほぼ2500/本。

セラーの在庫が減ったらこのセットをポチリたい。試飲販売会を終えて、フィラディス沼への道が開いたw