リキュールとは、スピリッツに果実やハーブなどの副原料を漬け込んで風味をつけたお酒。
日本の酒税法においては、「酒類と糖類(酒類を含む)を原料とした酒で、清酒・合成清酒・焼酎・みりん・ビール・果実酒類・ウイスキー類・発泡酒を除く」と定義されている。
リキュールは、使用する副原料によって、次の4つのタイプにわけられる:
- 果実系リキュール
- 香草・薬草系リキュール
- ナッツ・種子系リキュール
- 特殊計リキュール
果実系リキュール
- キュラソー:オレンジの果皮と糖を加えて香味付けしたリキュール。ホワイト・キュラソーはフランスのロワール地方が有名。
- マラスキーノ:イタリア産。マラスカ種のチェリーを醸造・スピリッツに浸漬・蒸留・熟成したお酒。
- クレーム・ド・カシス:黒スグリ(カシス)をスピリッツに浸漬・熟成したリキュール。1Lあたり400g以上の糖分が必要。
- クレーム・ド・フランボワーズ:キイチゴのリキュール。
- サザン・カンフォート(Southern Comfort):アメリカ産。グレーンウイスキーに、ピーチ・レモンなどのフルーツを漬け込んで熟成したフルーツリキュール。
- ピーチリキュール:もものリキュール。カクテルの材料として用いられる。ファジーネーブルとかレゲエパンチとか。
- ディタ:ライチリキュール:現代人に合う新しいフルーツリキュールの開発と題して、フランスで1980年年代に作られた。
- パッソア:パッションフルーツのリキュール。20度程度。鮮やかなピンク色。苦みと甘さを併せ持つ。
香草・薬草系リキュール
- シャルトリューズ:フランスの修道院で作られている。ブランデーに糖と130種類以上のハーブ・スパイスを漬け込んで熟成したリキュール。不老不死の薬として1600年ころから製造されていた。度数40%~は55%。
- ベネディクティン(Bénédictine):世界最古の薬草系リキュール。1500年代にフランスの修道院で作られた。27種のハーブ・スパイスを浸漬して蒸留・熟成し、カラメル・サフラン・はちみつ・シロップ・コニャックを加えて再熟成する。度数は40度。
- アブサン(absinthe):ギリシャ語でヨモギを意味する。ブランデーにニガヨモギなどのハーブやスパいづを浸漬して蒸留したお酒。度数は70~90度と高く、さわやかな香りの中にほんのりと甘さが広がる。かつては、ニガヨモギに含まれる成分が多量摂取すると幻覚症状を引き起こす可能性があることから、悪魔のリキュールとして発売禁止になった。現在は成分量が見直されて発売されている。
- パスティス:フランスのマルセイユで生まれたリキュール。ブランデーにリコリスなどのハーブやアニスなどのスパイスをを浸漬して蒸留したお酒。度数は40度程度、スパイシーで独特な風味。フランスでアテリティフとして好まれている。アブサンが発売禁止に伴って、アブサンに似たリキュールとして商品化した。
- スーズ(Suze):フランス産。ゲンチアナの根と5種類のハーブを漬け込んだリキュール。カンパリと似た味。度数は15度。ゲンチアナは胃腸薬や漢方薬にも使用される香草。
- カンパリ(Campari):イタリア産。ビターオレンジの果皮を漬け込んだイタリアのリキュール。25度以上で、ほろ苦さと甘味のバランスが良い。
- チナール(Cynar):イタリア産。アーティチョークと10種類のハーブを浸漬したリキュール。カンパリと似た味。度数は16度。イタリアでは食後酒として親しまれている。
- サンブーカ(Sambuca):イタリアのアニス系リキュール。アニスシードを中世アルコールに浸漬して作られる。度数は35~40度。アニス系の香りに、かなり甘い味わい。
- イエーガーマイスター(Jägermeister):ドイツで生まれたハーブリキュール。56種のハーブやスパイスを使用。奥行きのある独特な風味。
- ドランブイ(drambuie):スコットランド産。スコッチウイスキーにはちみつやハーブを漬け込んだお酒。
- ウーゾ(Ouzo):ギリシャで作られる無色透明のアニス系リキュール。
ナッツ・種子系リキュール
- アマレット:イタリア産。イタリア後でアンズの核という意味。アーモンドフレーバーのリキュール。
- フランジェリコ:イタリア産。ヘイゼルナッツ風味のリキュール。
- マリウ:ココナッツリキュール。20度程度。甘く飲みやすい。