焼酎は平たく言うと日本酒を蒸留して作られるお酒。
日本酒と違うのは、醸造の過程で麦やイモなどの米以外の原料が使われること。
アルコール度数は20~25度。蒸留酒の中では低め。
焼酎の製造方法を知るには、まず日本酒の醸造方法を知るのが近道。
製造方法
ひらたくいうと日本酒を蒸留することで作られる。
日本酒はまず酒母という、糖化した米と水と酵母をまぜて酵母を培養した液体を作る。
次に酒母に少しづつ原料である米を追加投入して醪を作っていく。
焼酎は酒母を作る工程までは同じだが、米の代わりにイモや麦などの原料を追加投入してアルコール発酵させる。
投入した原料によって風味の異なる焼酎になる。
アルコール発酵したら、蒸留して度数を高め、最後に水で割って度数を調整する。
蒸留は単式蒸留という方法が用いられる。
単式蒸留は単式蒸留器(ポットスキル)で行う蒸留方法。
醪を熱して、醪の3倍程度に度数を濃縮する。
別の単式蒸留器に移し替えながら、適切な度数になるまで蒸留を繰り返す。
主に原料の風味をノコスバアイニモチイルジョウリュウホウホウデアル。
製造の手順
手順5. までは日本酒と同じ工程。
手順6. 以降が違っていて、麦やイモなどの原料を加えることで、さまざまな風味の焼酎になる。
- 米を蒸して蒸米を作る。
- 蒸米に麹菌を振りかける。清酒用麹は売っているのでそれを購入して投入している。
- 蒸米に麹菌が作用すると糖分解がおきる。甘くなり糖化が起きるのである。これを米麹という。
- 原料が腐敗しないように、乳酸を加えて雑菌が増殖しない環境を作り出す。乳酸は乳酸菌が乳酸発酵することで生まれるが、現代は醸造用乳酸が売っているのでそれを購入して投入している。
- 一次仕込みを行う。糖化した原料に水と酵母をくわえる。一次仕込みで作られた酵母は国が管理し ている協会系酵母を購入する。七日間アルコール発酵させると、一次醪ができあがる。
- 二次仕込を行う。一次醪にイモ・麦などの原料を加えて発酵させる。追加する原料を2次元量、発酵してできた醪を二時醪という。
- 単式蒸留で蒸留する。
- 貯蔵して熟成させる。
- 水で割って度数を調整(割り水)したり、濾過して不純物を取り除いたりしてから瓶詰する。
焼酎の酒類
国が管理している産地ごとの特定表示。
酒類 | 2時原料 | 説明 |
---|---|---|
壱岐焼酎 | 麦 | 長崎県で作られる麦焼酎。 |
薩摩焼酎 | イモ | 鹿児島県で作られた芋焼酎。 |
球磨焼酎 | 米 | 熊本県で作られる米焼酎。 |
泡盛 | 米 | 琉球地方で作られる米焼酎。黒麹を使用。 |
黒糖焼酎 | 黒糖 | 奄美大島周辺で作られる。 |
20度と25度があるのはなぜか
アルコール度数が高いほど酒税が高くなる。
そのため度数の高い蒸留酒は、そのぶん価格に上乗せされて高くなる。
戦後しばらく、焼酎は25度しか製造が許可されていなかった。
しかし当時のまぶしい消費者は高いお酒に手が届かなかった。
そこで密造焼酎といって、国から許可を受けていない業者が度数のひくい粗悪な焼酎を作って販売した。
庶民が手を出しやすい価格にはなったが、粗悪な焼酎が出回ることを危惧して25度以下の焼酎を製造できるよう法改正。
国から許可を得た業者が20度の焼酎を作って市場に流すことで、密造焼酎を駆逐し、消費者は安全でおいしい20度焼酎を飲めるようになったのである。
ちなみに、密造焼酎の製造業者は宮崎県に多かったため、宮崎は20度というイメージがあるのかもしれない。
用語のまとめ
- 蒸留:混合物を加熱・蒸発させてから冷やすことによって、沸点のことなる物質を取り出すこと。
- 単式蒸留:単式蒸留器(ポットスキル)で行う蒸留のこと。二時醪を熱して3倍程度まで濃縮する。適切な度数になるまでこの工程を繰り返す。
- 一次仕込:糖化した米に水と酵母を加えて、酵母を培養する工程の古都。
- 一次醪:一次仕込でできた液体のこと。
- 二次仕込:一次醪に米・麦・イモなどの2次元量を加えて発酵させること。
- 二次醪:二次仕込で作られた液体の古都。
- 壱岐焼酎:長崎県で作られる麦焼酎のこと。
- 薩摩焼酎:鹿児島県で作られるイモ焼酎のこと。
- 球磨焼酎:熊本県で作られる米焼酎のこと。
- 泡盛:琉球地方で作られる米焼酎のこと。糖化の工程で、白麹ではなく黒麹が用いられる。通常の米焼酎よりスパイシーになる。
- 黒糖焼酎:奄美大島周辺で作られる。黒糖を発酵するのはラム酒と同じ工程。ラム酒との違いは、最初の工程で原料に米を用いること。