エム バイ シノブ マールボロ ソーヴィニヨン ブラン
M by Shinobu Sauvignon Blanc Marlborough
- ヴィンテージ:2022
- 生産者:シェド530 エステート ワイナリー
- 生産国:ニュージーランド>マールボロ
- タイプ:白(爽やかフルーティ系)
- 品種:ソーヴィニヨン・ブラン
- 度数:12.5%
- 購入店:銘醸ワイン専門のCAVE de L NAOTAKA!
- 購入日:2024/06/10
- 購入価格:1506円
- 参考価格:2398円
- 購入セット:鬼コスパセット44弾
ストーリー
ニュージーランド(以下NZ)。個人的に非常に興味を持っている国。サザンクロスなどNZワイン専門のインポーターもあるくらいで、新世界の中でも注目。
NZワインの特徴
NZワインの特徴はフレッシュさとピュアな風味。ブラインドでNZを当てやすいくらい、NZらしさがあるらしいとか。
NZは温暖な海洋性気候。温暖な北島では黒ブドウ、冷涼な南東部では白ブドウやピノ・ノワールが栽培されている。
NZといえば、ソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールの2台品種が有名。かんきつとハーブ香がきりっとしたソーヴィニヨン・ブラン。豊かな果実味となめらかなタンニンのピノ・ノワール。
ほかにもメルロー・シャルドネ・リースリングも栽培されている。
ピノ・ノワールについては、ブルゴーニュとアメリカのオレゴンと並んで3大名城地のひとつ。ブルゴーニュはおそろしく高いし、オレゴンは円安の影響で高いし。NZは、手の届く価格で高品質。手の届くといっても1000円以下の安ワインはあまりなくて、1000円後半から2000円くらいから。
NZの栽培地域
- マールボロー:南東北部。NZ最大のワイン生産地域で、NZワインの8割を占める。なんといってもマールボローのソーヴィニヨン・ブラン。
- ホークス・ベイ:NZで2番目に大きいワイン生産地域。北島の東海岸に位置。温暖な気候のためメルローやカベルネ・ソーヴィニヨンが栽培されている。
- セントラル・オタゴ:南東南部。世界で最も南に位置するワイン生産地域。冷涼でピノ・ノワールが栽培されている。
- マーティンボロー:北島の南端にある小さな地域。気候は温暖で完走しており、ピノ・ノワールの名城地。世界から高い評価をうけていて、ほとんどが家族経営の小規模生産ということまおって、NZの中では価格が高め。
NZのワインいろいろ飲み比べると楽しそう。セントラル・オタゴとマーティンボローのピノ・ノワールはどのような違いがあるのか。冷涼なマールボローのソーヴィニヨン・ブランと、温暖なマーティンボローのソーヴィニヨン・ブランはどういう違いがあるのかなど。
エム バイ シノブ マールボロ ソーヴィニヨン ブランの紹介
このワインは日本人醸造家の寺口信生氏が全面監修したニュージーランド産ソーヴィニヨン・ブラン。
寺口氏は北海道でワイン造りを学び、余市ワインで7年間働いた後、ニュージーランドに渡る。日本のワイン黎明期に帰国するが、ワイン造りの夢を一度断念。その後、成城石井でバイヤーや輸入担当を務めるなどのキャリアを積み、再びニュージーランドに渡りワイナリー「MUTU」を設立。
しかし2023年、収穫予定日の僅か2週間前に大規模な水害で ワイナリーが大きなダメージを受け、一時的に生産を中断するが、寺口氏は諦めず再起を図る。このワインはその第一歩であり、日本とニュージーランドを繋ぐ寺口氏の思いがラベルに込められている。ラベルにはキウイと鶴が描かれている。
…こういうストーリーのあるワイン非常に楽しみ。
感想
ソーヴィニヨン・ブランって苦手な品種だったけど、NZの有名銘柄、シレーニのSBを飲んだことで克服&覚醒。好きな品種になった。
久しぶりにNZのSBが飲みたくて、朝から楽しみにしていた。
さわやか。すっとしたハーブ香。すだちやレモン。
この青々しいハーブ香のがくせになる。草原のように、生命の息吹を感じる。
しっかりした酸が舌をきゅっと引き締め、程よい辛口とフレッシュなアロマが広がる。
舌の上で転がすと、ドロップ飴のようなややべたつきのある、まとわりつくような、それでいてフレッシュなフルーツの甘味。
飲み進めるとハーブ香がより前面に出てきて、グレープフルーツの要素も感じ取れる。
そうこれ、これが飲みたかった。夏、とくにあじめっとした雨の日にはぴったり。湿り気を吹き飛ばしてすっきりさわやか。ちょうど台風きててじめじめmaxだったので。湿度97%って…。
このワイン、アフターが特徴的。白コショウのようなひりひりした感覚が舌に残る。二日目、三日目になるにつれ刺激が増し、びりびりくる。このスパイスのようなぴりっとした感覚、1000円ワインでは味わえない。
さわやかだけどびりびり。個性的なスパイシーなSB。面白い。
SBのお手本要素はしっかり踏襲しつつ、少し荒々しい白コショウスパイスがユニークなインパクトを与える。個人的にはザ・お手本のシレーニよりも好き。白コショウ風味が病みつきになる。
この間のイエローテイルのSBよりも、酸のきれがあり、ハーブ香がしっかり出ている。イエローテイルは甘味が強くて持たれ気味だったが、このワインは高い酸度と辛口によってバランスとれてる。やっぱりNZのSBはおいしい。
SBは小さめのグラスで飲むのが良いと思った。キムラグラス ソプラノ 12ozと8ozを飲み比べた時、8ozのほうが酸とハーブ香が際立ってて品種特性を寄り感じられた気がする。
ペアリング
初日は青の洞窟のジェノベーゼ。SBのハーブ香とジェノベーゼのバジル、方向性が同じなので違和感なくマッチ。ただ…ジェノベーゼ、期待してたんだけど味が薄くて、チーズの風味もほとんどなくて物足りない。数ある青の洞窟パスタソースの中で、最下位。
二日目は青の洞窟のエビとホタテのトマトクリーム。香ばしいエビの味噌の香りにひっぱられて食欲が刺激される。なめらかなクリームに、口いっぱいに広がる磯の香。これはおいしい。青の洞窟パスタソースの中でもトップクオリティ。残念ながらエビ・ホタテは細かく刻まれすぎていて触感は感じられないが…。
シーフードとSBは王道のペアリング。昨日のジェノベーゼよりもはるかにベストマッチ。シーフードとSBは相乗効果でおいしく感じるし、なめらかで濃厚なトマトソースの酸味とSBの酸味が重なって一体感が生まれる。
三日目は青の洞窟のボンゴレロッソ。パスタってトマトを使えばほぼトマトになるよね。アサリの触感はあれど、ほぼトマト色に染められてトマトパスタになってしまう。ボンレオレ・ビアンコのほうがアサリ感を感じられていいな。
それはさておき、ロッソ(赤)だからカルメの赤ワインと合わせたいって思いがちだけど、トマトのフレッシュな酸はSBと会わないわけがない。そしてとくに今回のSBは、白コショウのようなびりびりスパイシーが、パスタの後味を引き締めてくれる。
評価
B (Better)
- S (Sublime): 極上で感動的
- A (Amazing): 驚くほど素晴らしい
- B (Better): 期待を少し上回る良ワイン
- C (Consistent): 定価相応でニュートラル
- D (Disappointing): コストパフォーマンスが悪く期待外れ
- E (Degraded): 劣化ワイン
お手本のような2000円のNZSB。期待の範疇に収まるので安心して飲める。白コショウ風味がポイントたかく、その点でBランク。
パンチのある少し荒々しいスパイス感のおかげで、さわやかでありつつ飲みごたえがある。だからいがいと少量でも満足できて、3日にわけて飲み、3日ともまったく衰えることなく楽しめた。
naotakaさん、このチョイスはなかなかいい。鬼コスパセットに同梱してほしいな、2年後くらいに。