ウイスキーは平たく言うとビールを蒸留して作られるお酒。
アルコール度数は40~90度。
ウイスキーの製造方法を知るには、まずビールの醸造方法を知るのが近道。
製造方法
平たく言うとビールを蒸留するとウイスキーとなる。
ビールは麦芽(モルト)を乾燥してから粉砕して、水とホップを加えて煮沸すて醪を作る。
一方ウイスキーは麦芽を乾燥させるときに、ピートや石炭を焚いてスモーキーな香りをつける。
ピートとは、スコットランドに多く生育している焚いてという野草と泥が堆積して炭化したもの。
ウイスキーとビールの別の違いは、原料にホップは加えず、麦と水のみをアルコール発酵させること。
なお、ウイスキーは麦のほかにトウモロコシを原料に使うこともある。
アルコール発酵させた後、蒸留して度数を高め、樽熟成して風味を整える。
蒸留には、単式蒸留と連続式蒸留の2つのいずれかの方法が用いられる。
単式蒸留とは、単式蒸留器(ポットスキル)を用いた蒸留方法。
醪を熱して3倍程度まで濃縮する。これを適切な度数になるまで繰り返す方法。
一方連続式蒸留は連続式蒸留機(コラムスキル)を用いた蒸留方法。
単式蒸留器がいくつも組み合わさった構造で、濃縮を機械的に連続して行う方法。
主に原料の風味を残す場合は単式蒸留、工業的なアルコールを作る場合は連続式蒸留が用いられる。
ウイスキーには大きく2つの種類がある。
もうひとつは麦のほかにトウモロコシを原料都市、連続式蒸留で作られるグレーンウイスキー。
製造手順
- 製麦(せいばく)。まず麦を発芽させ、麦芽(モルト)を作る。
- 浸漬(しんせき)。麦を水に2日間ほど浸して、発芽しやすい環境を整える。
- 発芽の工程。冷風を送り、発芽を促す。
- 焙燥(ばいそう)。ほおっておくと麦へと成長してしまうため、80度以上の熱風で乾燥させる。このときピートや石炭を焚いてスモーキーな風味をつける。
- 乾燥した麦芽をこまかく粉砕する。粉砕することで糖化しやすくなる。
- 仕込。麦芽を糖化させる。
- もろみづくり。粉砕した麦芽を温水に投入し、65度の温度に保つ。
- 糖化の工程。65度を維持するとデンプンが糖に分解される。
- 濾過の工程。濾過して不純物を取り除き、透き通った麦汁を作る。
- 発酵。酵母を加えて、3日程度アルコール発酵させる。
- 蒸留。単式蒸留もしくは連続式蒸留を行う。
- 貯蔵・熟成。樽で10年~30年ほどの長期間寝かせる。使う樽の酒類によってウイスキーの個性が異なる。
- 調合。2つのウイスキーを混ぜ合わせる工程。
- 後熟(こうじゅく)。調合後、風味付けや品質安定のために、数週間~2年間程度熟成する工程。
- 瓶詰。
ウイスキーの分類
- ブレンデットウイスキー:モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンディングして作られたウイスキー。
- ピュアモルトウイスキー:ブレンドせずにモルトウイスキー100%のウイスキー。
- シングルモルトウイスキー:ピュアモルトの中でも、他のモルトウイスキーとブレンドせずひとつの蒸留所で作られたウイスキー。
代表的なウイスキー
- スコッチウイスキー(ブデンデッド):ピートを焚いて風味付けしたウイスキー。スコットランド内で発酵・蒸留・熟成をした後、複数ブレンドする。
- スコッチウイスキー(シングルモルト):スコットランド内の単一の蒸留所で作られたウイスキー。ピートの使用量、仕込み水の品質など、蒸留所ごとに特徴的なウイスキーが作られている。
- アメリカンウイスキー:アメリカで製造されるグレーンウイスキーで、原料にトウモロコシを51%以上使用すること、熟成に新樽を使用すること、40%以上で瓶詰することが義務付けられている。
- カナディアンウイスキー:樽熟成に新樽は使わず、ライトでマイルドなのでカクテルベースとしても使いやすいウイスキー。
- アイリッシュウイスキー:北アイルランドで作られるモルトウイスキー。単式蒸留器で3回以上蒸留、焙燥するときにピートを使わない。スコッチウイスキーよりクリアな味わい。
- ジャパニーズウイスキー: はなやかな香りで、コクがありバランスのとれた風味。
スコッチウイスキー・スコッチウイスキー・アメリカンウイスキー・カナディアンウイスキー・アイリッシュウイスキー・ジャパニーズを合わせて世界五大ウイスキーと呼ぶ。
用語のまとめ
- 蒸留:混合物を加熱・蒸発させてから冷やすことによって、沸点のことなる物質を取り出すこと。
- 単式蒸留:単式蒸留器(ポットスキル)で行う蒸留のこと。二時醪を熱して3倍程度まで濃縮する。適切な度数になるまでこの工程を繰り返す。
- 連続式蒸留:連続式蒸留機(コラムスキル)で行う蒸留の古都。単式蒸留器がいくつも組み合わさった構造で、機械的に度数の高いアルコールを生成することができる。主に純度の高い工業的なアルコールを大量生産する場合に用いられる。
- ピート:スコットランドに多く生育している焚いてという野草と泥が堆積して炭化したもの。
- モルトウイスキー:原料は麦で、単式蒸留で蒸留したウイスキーのこと。
- グレーンウイスキー:原料や麦やトウモロコシで、連続式蒸留で蒸留したウイスキーのこと。
- 麦芽(モルト):発芽した麦のこと。
- 製麦(せいばく):麦を発芽させて麦芽を作ること。
- 浸漬(しんせき):麦を水に浸して発芽しやすい環境を整えること。
- 焙燥(ばいそう):80度程度の熱風にあて、麦芽を死滅して乾燥させること。
- シングルカスク:作り主が厳選した最高のの1樽で熟成すること。他のウイスキーと混ぜ合わせる調合は行わない。純粋にひとつの樽の風味が味わえる。
- ヴァッティング:調合方法のひとつ。熟成後、モルトウイスキー同士、グレーンウイスキー同士を混ぜ合わせる。
- ブレンディング:調合方法のひとつ。モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせる。
- 後熟(こうじゅく):調合の後、風味を向上させ、品質を安定させるために数週間~2年間再度熟成すること。さまざまな樽が用いられる。
- ブレンデッドウイスキー:モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキーのこと。
- ピュアモルトウイスキー:ブレンドせず、モルトウイスキー100%のウイスキーの古都。
- シングルモルトウイスキー:ピュアモルトウイスキーの中でも、ひとつの蒸留所で作られたウイスキーのこと。樽は複数使ってよいが、他の蒸留所で作られたウイスキーと混ぜてはいけない。
- 世界五大ウイスキー:ブレンデッドスコッチウイスキー、シングルモルトスコッチウイスキー、アメリカンウイスキー、カナディアンウイスキー、アイリッシュウイスキー。