酒類とは、気温15度において、アルコール度数1度以上のもの。
【化学式】
ブドウ糖→エチルアルコール+二酸化炭素。
C6H12O6 → 2C2H5OH + 2CO2.
アルコール発酵するには、清潔な環境下で、ブドウ糖・水・酵母が必要。
- 化学式を解明した人物:ジョゼフ・ルイ・ゲイリュサック
- 酵母の働きを発見した人物:ルイ・パストゥール(細菌の父)
節度ある適度な飲酒=1日平均20g。
酒類の分類
分類 | 説明 | 代表的な酒 |
---|---|---|
醸造酒 | 果実や穀物をアルコール発酵した飲み物 | 清酒(日本酒)、ワイン、ビール、黄酒 |
蒸留酒 | 醸造酒を蒸留してアルコール度数を高めた飲み物 | 焼酎、ウイスキー、ブランデー、スピリツ(ウォッカ、ジン、ラム、テキーラ、白酒) |
混成酒 | 醸造酒や蒸留酒にハーブや果実を加えた飲み物 | リキュール、フォーティファイドワイン、フレーバードワイン、ミリン、合成酒、甘味果実酒、粉末酒 |
- 世界三大醸造酒:ワイン、ビール、日本酒
- 世界三大蒸留酒:ウイスキー、ブランデー、白酒(パイチュウ)
- 世界三大ブランデー:コニャック、アルマニャック、カルヴァドス(シードルの蒸留酒)
- 日本の酒税法では焼酎・ウイスキー・ブランデー・原料用アルコール以外の蒸留酒をスピリッツと呼称する
- 黄酒とは糯米を原料とし麹で発酵した中国の醸造酒。日本では紹興酒が有名。
- リキュールとはスピリッツに果実やハーブを加えて付加価値をもたせた飲み物。日本の酒税法においては、「酒類と糖類(酒類を含む)を原料とした酒で、清酒、合成清酒、焼酎、みりん、ビール、果実酒類、ウイスキー類、発泡酒を除く」と定義されている。つまり、製法はリキュールであっても、ウイスキーに果実を加えたお酒ならリキュールではなくウイスキーの仲間になる。ワインに果実を加えたお酒はリキュールではなく、フレーバードワインというワインの仲間となる。
- カクテルとは、醸造酒・蒸留酒・混成酒に別の酒やジュースなどをまぜた飲み物
- 酎ハイやサワーもカクテルの一種
醸造酒の種類
醸造酒とは果実や穀物などの原料をアルコール発酵させた飲み物。
発酵とは、微生物がある物質をほかの有用な物質に変化させること。 人にとって有害な物質に変化する場合は腐敗という。
アルコール発酵の方法は3つある。
- 単発酵:原料にそのまま酵母を加えて発酵する方法。原料に糖が多く含まれている場合に用いる。ワインなど。
- 複発酵:まず原料に含まれるデンプンを糖に分解する「糖化」を行い、次に糖化した原料に水と酵母を加えてアルコール発酵する方法。単行複発酵と並行複発酵の2つの方法がある。
- 単行複発酵:糖化と発酵の2つのプロセスをそれぞれ異なる容器で行う方法。原料に含まれる糖が少ない場合に用いる。ビールなど。
- 並行複発酵:糖化と発酵のプロセスを同じ容器の中で並列して行う方法。日本酒など。
ワイン
ワインはブドウをアルコール発酵して作られる、世界3大醸造酒のひとつ。
ブドウは糖と水を含むため、酵母を加えるだけでアルコール発酵できる。
アルコール度数は8~14%程度。
ビール
ビールは麦をアルコール発酵することで作られる世界三大醸造酒のひとつ。
アルコール度数は5%程度。醸造酒の中では度数は低め。
日本酒
米をアルコール発酵することで作られる世界三大醸造酒のひとつ。
並行複発酵という世界でも類を見ない緻密な醸造技術で作られる。
アルコール度数は13~18度程度。他の醸造酒と比べると度数は高め。
蒸留酒の種類
蒸留とは混合物を蒸発させ、冷やして液体に戻すことによって、沸点のことなる物質をそれぞれ取り出して濃縮する方法のこと。
たとえば、水の沸点は100度に対してアルコールの沸点は78度。
80度程度まで加熱すれば、アルコールが蒸発して気体となるため、それを容器に集めて冷やすことで度数の高いアルコールを得られる。
蒸留には主に次の2つの方法が用いられる。
- 単式蒸留:単式蒸留器(ポットスキル)で行う蒸留方法。原料を蒸留して、原料の3倍程度の度数に濃縮する。主に原料の風味を残す場合に用いられる。度数を高めるために、上流工程を何回か行う。濃縮すればするほど原料の風味は薄まっていく。
- 連続式蒸留:連続式蒸留機(コラムスキル)を用いる蒸留方法。単式蒸留器が何個も組み合わさっている構造で、連続的に単式蒸留を繰り返す。機械的に純度の高いアルコールを得られる。
ブランデー
ブランデーはワインを蒸留してアルコール度数を高めた蒸留酒。
コニャック、アルマニャック、カルヴァドスは世界三大ブランデーとして知られている。
ウイスキー
ウイスキーは平たく言うとビールを蒸留して作られるお酒。
アルコール度数は40~90度。
焼酎
焼酎は平たく言うと日本酒を蒸留して作られるお酒。
日本酒と違うのは、醸造の過程で麦やイモなどの米以外の原料が使われること。
アルコール度数は20~25度。蒸留酒の中では低め。
スピリッツ
スピリッツとは、蒸留酒の古都。広義には、ブランデー・ウイスキー・焼酎など蒸留酒全般を指す。
ただし、日本の酒税法の分類では、ウイスキー・ブランデー・焼酎以外の蒸留酒をスピリッツと呼ぶ。
混成酒の種類
リキュール
リキュールとは、スピリッツに果実やハーブなどの副原料を漬け込んで風味をつけたお酒。
フォーティファイドワイン
酒精強化ワインともいう。ワインにブランデーを添加してアルコール度数を高め、長期保存を可能にした。
カクテル
カクテルとは、あるお酒に、別のお酒やなにかを加えた飲み物。
よく飲まれている酎ハイやサワーはカクテルの一種である。
カクテルは新しい香りや味・世界観を捜索する飲み物。
ミネラルウォーター
※アルコールではないが予備知識として。
日本における分類
分類 | 原水 | 処理方法 |
---|---|---|
ナチュラルウォーター | 特定水源から採取した地下水のうち、向き食塩の溶解が少ない源水 | 濾過、沈殿、加熱処理 |
ナチュラルミネラルウォーター | ナチュラルウォーターのうち、無機塩類が溶解した原水 | 濾過、沈殿、加熱処理 |
ミネラルウォーター | 特定水源から採取した地下水 | 濾過、沈殿、加熱処理のほか、 ナチュラルミネラルウォーターのブレンドやミネラルの成分調整を行ったもの |
ボトルドウォーター(飲用水) | 上記3つ以外のもの 蒸留水、水道水など |
処理方法の限定なし |
- ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーターのことを天然水とも呼ぶ。
- ミネラルの含有量についての規定はない。そのため分類ではミネラルの量を判別できない。
- 天然水、ミネラルウォーターは水道水のように塩素処理をしていない。口をつけたペットボトルの水は劣化しやすいため早めに飲み切ること。
硬度
硬度とは水1Lあたりのミネラルの含有量のこと。
正しい定義は、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの量を炭酸カルシウムの量に換算したもの。
WHOの定義では、120mg/L以下が軟水、それ以上を硬水としている。
日本は軟水が多い。川が短く海までの斜面が急のため、水がはやく流れミネラルの含有量が少ない。
欧米は硬水が多い。川が長く、なだらかな地形が多いため、水がゆっくりと流れミネラルを豊富に含む。
軟水:
- メリット
- 口当たりが柔らかく飲みやすい。
- 赤ちゃんや胃腸に適している。
- 肌や髪に優しい。
- 石鹸の泡立ちが良い。
- デメリット
- ミネラル補給にむいていない。
硬水:
- メリット
- ミネラル補給にむいている。
- 便秘の解消に効果が期待できる。
- デメリット
- 独特な味で飲みにくい。
- 石鹸の泡立ちが悪い。
- マグネシウムが多く、胃腸障害を起こすことがある。
高度の高い順から有名な水:
- クールマイヨール/COURMAYEUR(イタリア):高度1612、ミネラルウォーター
- コントレックス/Contrex(フランス):高度1468、ミネラルウォーター
- ゲロルシュタイナー/Gerol Steiner(ドイツ):高度1300、炭酸ガス含有のナチュラルミネラルウォーター
- サンペレグリノ/S.Pellegrino(イタリア):高度600、炭酸ガス含有のミネラルウォーター
- ペリエ/Perrier(南フランス):高度400、炭酸ガス含有のミネラルナチュラルウォーター
- サンパニオル/Sant Aniol(スペイン):高度299、ミネラルウォーター